11月10日(火)劇団こむし・こむさ、復活後、2回目の公演を行うことができました。
あいにく雨が一日中降ったり止んだりといった天候でしたが、そのような中をたくさんのお客様に足を運んでいただきました。心より感謝申し上げます。
昨年は1回公演で、階段や、小さな補助椅子にお座りいただいて、お芝居をご覧いただいたお客様がいました。その反省から、今年は昼と夜、2回公演にして、席のご心配をなさらずに観ていただくようにしました
ところが、今年も蓋を開けてみますと、当日席をお買い求めいただくお客様もいて、昨年と同様、補助席にお座りいただく状況となってしまいました。しかも、2時間以上の長いお芝居でしたので、お体に負担を与えてしまったのではないかと思われます。申し訳ありませんでした。
来年は、2日間の公演を予定しております。今年改善できなかった部分を、次回は改善していこうと考えております。
さて、お芝居の中身を振り返りますと、もちろん完全とは言えないものでした。作・演出の私をはじめ、演技者個々も、それぞれに課題を残した公演であったと思います。
演技者のうちの何人かは、本番で、ようやく、「これは、ちょっといいかもしれない」と、可能性を感じるような演技をし始めたように見えました。そういう演技が、稽古の途中で出来ていれば、本番では、さらに良いものが出現しただろうにと唇を噛む思いでした。
しかし、1日に2回、本番を経験したことは、演技者としては、いい勉強になったのではないかと思います。私も演技者の1人として、勉強になりました。1度目の演技をしたのち、つぎは「あそこを、こういう風に演じて見たらどうだろう」と考えます。そうして2度目の演技に臨みます。その2回の演技を、自身で比較検討することができました。一回勝負で終わるのではなく、より良いものを、自分なりに目指すチャンスが与えられることに、喜びを感じました。
また、今年は、客演者を交えての舞台となりました。客演の俳優さんは、舞台に出たときから去るまでの間、ずっと、そこに生きているように見える(そのように見させる)演技をします。そういう演技を身近に見て、これもまた、いい勉強・刺激になったのではないでしょうか。
カーテンコールを受けるのは演技者たちでしたが、その拍手は、スタッフの方たちにこそ送られるべきなのかもしれません。
昔からの仲間とはいえ、私どものような劇団のお芝居に、その素晴らしい「音」を作り、オペレーターまで提供してくれた、音響家の存在の重さは計り知れません。
縁があって、今年の照明を担当して下さった照明家さんの、「職人」のような徹底した仕事ぶりにも、頭が下がりました。
スタッフとして、あるいは稽古には参加できなかったが、公演日前日と当日にかけつけてくれて、さまざまな活動を展開してくれた仲間たちも欠かせません。
さらに、小道具屋さんや衣装屋さんの担当の方、劇場のスタッフの方々、表方や配送の協力者の人々、すべての方の心遣いの集積が11月10日の公演であったのだと、しみじみと思います。
今年は、パンフレットと一緒に、昨年上演した「右から三つ目のベンチ」のアンケート結果を配布いたしました。
アンケートに書かれたご感想やご批判は、私どもにとっては、次の公演に向けての貴重な「糧」でありますが、印刷してお配りすることによって、私どもだけでなく、観客の方も、ほかの観客の方の受け止め方や、考えを知ることができるのではないかと考えたからです。そうすることによって、観客の方同士の、見えない交流が生まれるかもしれません。
来年は、今回の「たった二軒の回覧板」のご感想をまとめて、お配りしたいと思っています。(まとまりしだい、劇団のホームページにも掲載いたします)
昨年もそうでしたが、今年もたくさんの方に、アンケートを書いていただけました。
これから、皆で、そのアンケートを1枚1枚拝読するところから、「次」の新しい活動をスタートさせて参ります。
(劇団代表・野村勇のブログ「こむし・こむさの日々」より)
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