第4回公演ーありがとうございました

代表  野村  勇

2017年11月21日(火)両国のシアターXで、昼夜2回、「水の中の塔―東京スカイツリー異聞」の上演を致しました。
構想は昨年の秋に出来上がっていたものの、実際に台本を仕上げるのに、約2か月を要しました。
本読みが今年の2月上旬、読み合わせのスタートは5月の上旬のことでした。それから約7か月、えっちらおっちらと稽古を続け、11月21日に到った次第です。

昨年までの3回の公演と、大きく変化したのは、なにより会場が変わったことです。
シアターXという、一つのポリシーを持つ劇場と、提携公演という形で芝居をうつことになりました。
今まで上演させていただいたd-倉庫は、その上演環境やスタッフの方のお人柄に、今でも愛着を持っている劇場ですが、劇団復活4年目、さらに飛躍したいと考え、シアターXの門を叩きました。

実は、私の心の中にも、今までの3回の公演のときとは違う感覚がありました。
これまでは、とにかく無我夢中、ある種の高揚感の中で芝居を作っていました。生意気なようですが、そこには「不安」はあまりありませんでした。
ところが、今回の公演では、「不安」を抱えながら稽古を続けていました。芝居が、自分の理想とする形になり切れていないことから来る「不安」でした。

公演を中止することは可能なのか? そんな思いがよぎることもありました。
しかし、そんなこと、出来るわけがありません。とにかく、一つ一つの問題点をクリアーしながら、前に一歩でも二歩でも進んでいくしかない、そう思って稽古や諸準備を進めてきました。

そうして迎えた本番。
沢山のお客様の前で演じるキャストたち。私は、演技は「気」をどうお客さんに届けるかが大事だと思っているのですが、稽古のときよりも「気」が出ていたように感じました。
そして何より、音響家、照明家、プロジェクター操作の方たちの、最後の最後まで、いいものを作ろうとする根性。根性などと表現しては、失礼なのかもしれませんが、その姿勢には打たれるものがありました。
また、劇場のスタッフの方の細かな気配りには、感謝しきれないものがありました。どれほど救われたか知れません。

そうして、お客様方お一人お一人の拍手。
いつも温かく感じるのですが、今回は「不安」を抱えていただけに、いっそう身に染みて感じられました。
ありがとうございました。
お忙しい中を、ご都合をつけていらして下さったのだと思います。いつもながら、有り難いことだと思っています。
今回は岩手、名古屋、大阪、山口からお越しいただいたお客様もいらっしゃいました。

いっそうの「飛躍」を目指した今回の公演。
果たして、その「飛躍」は成されたのか? それはお客様方の判定を待つことになるのだと思いますが、ほんのちょっぴり、「ぴょん」程度には跳ぶことができたようにも感じています。

11月21日、寒い日でした。
その中をお越し下さったお客様方、本当にありがとうございました。

                   (ブログ「こむし・こむさの日々」より)